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    • 2023.09.28 Thursday
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    山椒魚

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      井伏鱒二の「山椒魚」

      山椒魚は、体が発育したせいで、岩屋から出られなくなる。
      出ようと試みるが出られず発狂し、我慢ならない、解放されたいと叫ぶ。

      そこへ蛙が迷い込む、山椒魚は狭い出口を塞ぎ、蛙を閉じ込めてしまう。
      最初は「お前はバカだ」とお互い言い合い喧嘩するのですが
      二年間、二匹は沈黙し、おしまい。

      人間は、みすみす「囚人」になって平然とふるまうことがあります。
      いい職業についたら、会社の「囚人」であることにすら気づかない。

      もしかしたら、自分も「岩屋の中」なのかもしれない。

      就職して、家庭を持ち、子供を育て、やがて子供が独立し、老人となる。

      自ら入った岩屋から、もう出られないとわかると
      自分の周りや子供も、同じ岩屋に押し込めようとするのは
      誰かを「囚人」にすること。

      外敵から守るという名目で、自由を奪ってしまうのかもしれない。
      自由ほど、危険なことはないですもの。
      大切な人を危険に放り出すのは、かなり勇気がいります。

      この話の結末の二匹が和解した部分は、井伏鱒二は削除しています。
      晩年まで迷いがあったようです。

      天才の井伏鱒二でさえ、こんなに迷うのですから
      私のような凡人は、「これでいいのか」と
      不安になるのは当たり前なのでしょうね。

      人は弱いし、迷うし、間違うし、そして孤独を恐れる。

      蛙からみたら山椒魚は鬼だけれど
      一生、出られないとあきらめた山椒魚からすれば
      孤独に死ぬことの怖さから、
      二匹でいることが、生きるすべだったのかもしれない。


      今日は、昼にお会いした方とお話して
      この「山椒魚」の本を思い出しました。

      誰もが自分の一生を、どう生きるか模索していて
      それは、生きている限り続くのかもしれないです。

       

      この書は、数年前、私が現代書の指導を始めたころに書いたものです。
      これからもずっと、この気持ちと共に生きていくように思います。

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      プロフィール

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      書道家  長澤 祥邨
      【ナガサワ ショウソン】
      https://syodou-zukei.jimdofree.comホームページ
      水明書道会漢字、仮名師範。京都に生まれ、千葉県船橋市で教室をしています。初心者の大人の方や、子どもたちに基礎から丁寧に指導いたします。親子、個人レッスンなどお気軽にお問合せください。zukeidemanabu.syodou@gmail.com

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